特定疾患治療研究事業(治療費助成)
制度の概要
健康保険とは別制度だが、一部難病の治療には公費助成がある。
特定疾患治療研究事業は、難病患者の医療費の助成制度です。 保険診療では治療費の自己負担分は3割相当(サラリーマンは3割)ですが、その自己負担分の一部を国と都道府県が公費負担として助成しています。 現在は、56疾患がこの制度の対象です。
特定疾患治療研究事業の医療費の公費負担制度は、平成15年10月1日から取り扱いが変更されました。
- 都道府県から特定疾患医療受給者証の交付を受けている場合は、従来どおり全額公費負担が継続されます。新たに低所得者(市町村民税非課税)は全額公費負担となります。
- 難病のために日常生活に著しい支障のある重症患者
- スモン、プリオン病、難治性の肝炎のうち劇症肝炎、重症急性膵炎、重症多形滲出性紅斑(急性期)の患者
- 都道府県から特定疾患医療受給者証の交付を受けており、上記1.の該当者以外は、各医療保険又は老人保健の患者負担の一部について、医療機関窓口で自己負担が必要です。
自己負担限度額表(対象者別の一部自己負担の月額限度額)
階層区分 入院 外来等 生計中心者が患者本人の場合 生計中心者の市町村民税が非課税の場合 0円 0円 0円 生計中心者の前年の所得税が非課税の場合 4,500円 2,250円 左欄の1/2 生計中心者の前年の所得税課税年額が5,000円以下の場合 6,900円 3,450円 左欄の1/2 生計中心者の前年の所得税課税年額が5,001円以上15,000円以下の場合 8,500円 4,250円 左欄の1/2 生計中心者の前年の所得税課税年額が15,001円以上40,000円以下の場合 11,000円 5,500円 左欄の1/2 生計中心者の前年の所得税課税年額が40,001円以上70,000円以下の場合 18,700円 9,350円 左欄の1/2 生計中心者の前年の所得税課税年額が70,001円以上の場合 23,100円 11,550円 左欄の1/2
特定疾患治療研究事業対象疾患(56疾患)一覧には次のような疾患が書かれている。 (対象疾患は適宜追加されているので、最新版は厚生労働省等で確認のこと。)
- ベーチェット病
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- 全身性エリテマトーデス
- スモン
- 再生不良性貧血
- サルコイドーシス
- 筋萎縮性側索硬化症
- 強皮症/皮膚筋炎及び多発性筋炎
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 結節性動脈周囲炎
- 潰瘍性大腸炎
- 大動脈炎症候群
- ビュルガー病(バージャー病)
- 天疱瘡
- 脊髄小脳変性症
- クローン病
- 難治性肝炎のうち劇症肝炎
- 悪性関節リウマチ
- パーキンソン病関連疾患
- アミロイドーシス
- 後縦靱帯骨化症
- ハンチントン病
- モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)
- ウェゲナー肉芽腫症
- 特発性拡張型(うっ血型)心筋症
- 多系統萎縮症
- 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型)
- 膿疱性乾癬
- 広範脊柱管狭窄症
- 原発性胆汁性肝硬変
- 重症急性膵炎
- 特発性大腿骨頭壊死症
- 混合性結合組織病
- 原発性免疫不全症候群
- 特発性間質性肺炎
- 網膜色素変性症
- プリオン病
- 肺動脈性肺高血圧症
- 神経線維腫症Ⅰ型/神経線維腫症II型
- 亜急性硬化性全脳炎
- バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群
- 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 肥大型心筋症
- 拘束型心筋症
- ミトコンドリア病
- リンパ脈管筋腫症(LAM)
- 重症多形滲出性紅斑(急性期)
- 黄色靭帯骨化症
- 間脳下垂体機能障害
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