まずは薬価全体を引き上げよ!ニボルマブ(オプジーボ)を下げる前に
ニボルマブ(オプジーボ)は大騒ぎするほどの問題ではない
ニボルマブ(オプジーボ)が国を滅ぼすと報じられて以降、連日のように、ニボルマブ(オプジーボ)の引き下げ問題が報じられている。 しかし、それは日本の医療全体から見れば取るに足らない問題であり、ドラッグラグ・未承認薬問題の方が遥かに大きな問題だとニボルマブ(オプジーボ)は国を滅ぼすか?に書いた。 それよりも低く抑えられ過ぎている薬価全体の問題の方が遥かに深刻だ。 「日本の薬価が安いなんて嘘をつけ」「日本の薬価は世界的に高すぎる」という人もいるが、それは明らかに誤った情報である。 「日本の薬価が高い」根拠とされている全国保険医団体連合会の公表データは、統計トリックを駆使した浜六郎に歪められたものであることは、日本の薬価は高いのか?に書いた。
確かに、ニボルマブ(オプジーボ)の価格は是正する必要性があるほど高いが、それは100年に1度の珍事でしかない。 「類似の薬に波及する」という話も、今だけのことであり、大した問題ではない。 ギャーギャー騒ぐ人間は山ほどいるし、財務省も黙ってはいない。 だから、これは、放っておいても、いずれ終息する問題である。
それよりも、薬価全体を引き上げよ!
100年に1度の珍事に大騒ぎする前に、継続的に進行している重大問題の方こそ、真面目に議論されるべきだろう。 ドラッグラグ・未承認薬問題の深刻さと長期性は、ニボルマブ(オプジーボ)問題とは比べ物にならない。 むしろ、ニボルマブ(オプジーボ)問題を放置してくれた方が、製薬会社が100年に1度の珍事に期待してくれるようになり、承認インセンティブが少しは改善して、ドラッグラグ・未承認薬問題が多少マシになったかもしれない。 ところが、ニボルマブ(オプジーボ)問題が大騒ぎされながら、日本の薬価が安すぎることは全く議論されず、「日本の薬価は世界的に高すぎる」とデマを堂々と流す人さえいる始末である。 それでは、新しい治療法を待つ患者にとっては踏んだり蹴ったりであろう。
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